タグ別アーカイブ: XZ-1

オリンパスXZ-1の今更レビュー


ふとハイエンドなコンパクトデジタルカメラが欲しくなり、OLYMPUSのXZ-1を買いました。発売されたのは2011年の2月。もう1年以上前の機種ですので、なんというか今更感がたっぷりなんですが、ようやく値段もこなれてきたので購入に至りました。

この機種の最大の特徴は明るいレンズにあります。広角側でのF1.8ももっとも明るい部類ですが、望遠側でのF2.5という値はめったにない明るさです。この明るさ故にこのカメラを購入したといってもいいでしょう。このカメラはダメダメなところがいっぱいあるのですが、この明るさがすべてを帳消しにしてくれます。

UIははっきり言ってダメダメだと思います。一応高級機という位置づけなのにカスタマイズがほとんどできないのが致命的。なんでマクロボタン押したら、AFのターゲット選択になるのかまるで意味不明。マクロにするにはマクロボタンを押してもう一度INFOボタンを押さなくてはならないのです。ここはどちらを優先設定にするかカスタマイズができてしかるべきでしょう。でもできないんですよね…。

レンズ鏡胴の部分にコントロールリングがあって、ここでAモードなら絞り調整、Sモードならシャッタースピードの変更というのはいいのですが、PモードでISO感度変更というのはどうも納得できません。ここはプログラムシフトにして欲しい。でもカスタマイズできないんですよね…。いやそもそもプログラムシフトすらできないという。

露出制御もね、ISOオートの時上限とか決めたいじゃないですか、それできないんです。ISOオートにしても200止まり。あとは手ぶれマークが出ようがとにかくISO200で押し通します。明るいレンズですから、あんまり高感度は使わないのですがそれにしても融通がきかないんじゃないでしょうか。

今までオリンパスのカメラを結構購入してきましたが、オリンパスはなんというか常に「惜しい」製品ばかり出すんですよね。結構尖ったところを突いてくるのに、どこか抜けているんです。なんで露出補正するのに比較画像をサムネイルで見せるのか(μTOUGHお前のことだ)とか、電子水準器表示したら露出情報が消えてなくなる(E-P1よ…)とか、今ひとつツメが甘いんです。

でもね、できた絵の色合いとか、ノイズの乗り方とか好きなんです。そういうところでなかなかこのメーカーに見切りをつけられないんですよね。

このカメラは、望遠では112mm相当の画角でF2.5という明るさですから被写界深度がそうとう浅いのですが、それだけにピントがドンピシャの日には目がさめるような写真が撮れます。フォーサーズの一眼もびっくり、みたいな。もうね、操作性とかはあきらめて、絞り優先一択ですよ。できた絵がよければそれでよし、そんな変態カメラ。だから決して万人に薦められるカメラじゃないです。

会社のゴタゴタもあってか、今後はミラーレスと高級コンパクトに集中していくそうですが、ぜひ頑張って変態カメラを出し続けて欲しいですね。