事務所で使っている電卓のキーがどうもきかなくなったので、電卓を買いました。税込、税抜計算もできる、レート換算もできるシャープ製のなかなかなものです。490円。ワンコインですか…。
そこの家電屋さんでテレビの値段を見たんです。32型の国内メーカーのテレビはもう3万円を切っているんですね。HDMIやLANなどひと通り接続端子は揃っている。外付けHDDもつけられる。それでこの値段。
すげえ、安い!ありがてぇ、ってどうも素直に思えなかったんですよね。なんだか怖いとすら思いました。
そりゃ、枯れた技術になったり、部品代などの製造コストが安くなったりということもあるでしょう。しかし、この値段の中には他にもいろいろなコストが含まれているのですよね。店舗の倉庫代や税金はもとより、店員さんが販売したり、運送会社の運賃もあったり、そのようなコストもすべて含まれてこの値段なんですよ。それを販売して利益が出て給料がもらえる人たちがいるのですよね。
薄利多売という言葉があります。安くなってもたくさん売ればいいわけです。とはいっても、限界があるでしょう。テレビなんて一家にそう何台も買うものでもないじゃないですか。買ってるところはもう買ってるわけで、せいぜい買い増しか壊れたから買い換えるとかでしょう。
ものの価格が三分の一になったら、たぶん利益も三分の一。それならそれで、ものが従来の三倍以上売れるならいい。でも、そんなに売れるものでしょうか。いや売っているところはあるかもしれません。しかしこの地域の、あるいは日本国内の需要総量が三倍にも増えるわけじゃないでしょう。
だとしたら、どこかの誰かが身を削ってそのコストを負担しているのですよね。それは企業であったり、販売店であったり、あるいはその従業員であったりするのでしょう。
そんなことを考えると、安値を素直に喜べないのです。
それが市場競争原理、敗者は去るのみ。そういう意見もあるでしょう。いやいや悲観的すぎる、景気が上向けば三倍以上に売れる日が来る。そういう意見もあるでしょう。
でもどうやらなんか胸がムカムカするような苦しい気分を感じています。物の価値が下落し、コストを削減され、手持ちのお金が減り、だからもっと安いものを求めたくなる。いよいよデフレスパイラルが現実のものとなって、ぼく自身のまわりにも襲いかかってきたような気がするのです。世界から、お前たちは今まで恵まれすぎていたんだよと言われているような気がするのです。
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