今日は月一回の診察日でした。待合でベンチに腰掛けながらつらつら考えると、ぼくが白血病を発症して入院したのが1998年の夏だったので、ああ15年経ったんだなあと気づきました。
医療の進歩というもののおかげで、本当に楽に治療を続けることができています。
最初はインターフェロンの自己注射でした。毎日太ももにこれを打つわけですが、発熱したり鬱になったり、頭の毛が抜けてしまうこともありました。慣れてくると副作用はだんだんなくなるのですが、腿はぱんぱんに固くなってだんだん注射を打てる場所がなくなってくるわけです。嫁さんに頼んでお尻に打ってもらおうとしましたが、やっぱり怖くてダメだったり。
しかし、数年後にはグリベックという飲み薬が日本でも承認され使えるようになりました。これが副作用があまりなく、しかも錠剤で、効果も抜群という夢のような薬です。多くの慢性骨髄性白血病患者がこれによって救われました(もちろん効かない患者さんもいらっしたり、薬剤耐性がついて症状が悪化する方もおられますが)。ぼくも服用するようになって、劇的に血液の状態がよくなり、まったく普通の人とかわらない生活ができるようになりました。
ただ高価なんですよね。毎月の医療費の自己負担額は軽く10万円を超えてしまいます。ですから、社会保険の高額療養費制度はかかせません。本当にありがたく、ぼくのようなものは社会保険制度によって命がつながっているといっても過言ではありません。
慢性骨髄性白血病を難病指定にして医療費免除をという運動もありますが、なかなか実を結びません。今後、原発等の影響でこの手の病気になる人は増える可能性もあり、医療費抑制という観点からは難しいかもしれませんね。はやくこの手の薬もジェネリックとか出て欲しいけど、なかなかそういうわけにはいかないようです。
そうして十何年、月一回の診察を続けてきたわけですが、今日先生が診察間隔を延ばしてみようと提案をしてくれました。ずっと遺伝子検査でも陰性がでているので当分は大丈夫だろうという判断です。これからは2ヵ月に1回の診察になります。
医療費的にもとても助かることになりました。1回の負担はとんでもない金額になりますが、高額療養費を使えばあとからかなりの額が戻ってきます。単純に計算すれば自己負担が年間で半額になるわけで、とてもありがたいです。
よって今日もらった薬は63日分。精算機に表示された金額はさすがにぞっとしました。クレジットカード様々ではあります。高額療養費で返ってくるのは3ヵ月から4ヵ月後になるので、それまで何とかお金をまわしていかなくてはなりません。がんばろ。
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15周年を迎えられ、過去を振り返られた想いを感じました。
私も約20年骨髄バンクのボランティアで関わらさせていただき、グリベック薬などの、医学の進歩に驚きを感じています。
12年前ドナーとして骨髄液を提供しましたが、当時小学校6年生の患者さんも、成人を向かえ元気にされていると思ってます。
twitterdeでいつもコメントを読ませていただいてます。
ブースカさん、コメントをありがとうございます。
私たちが長らえているのも、骨髄バンク活動を支援していただいている方々のおかげです。薬剤治療をしているものとっても、ドナーの方が存在しているということが心のよりどころになっています。
私たちが希望を持って生きていけば、必ずいつか病を克服できる日がくると思います。今後ともどうかご支援よろしくお願いします。