意識を変えれば数値もかわる

9月の診察では半年ぶりのCT検査を受けました。術後5年の間、転移がなければ、まず治ったということだそうです。もし転移が見つかるとしたらCT検査の時であり、その時は次のより困難な治療に向かわなくてはいけません。CTスキャナの体を通す円形のトンネルは、半年に一度くぐる関門ということになるでしょう。5年の間に、この関門を10回潜る必要があるのです。

今回はその3回目でしたが、無事に通過することができたようです。新膀胱の形もよく、尿路等の接続も問題ないと説明を受けました。血液検査でも腎臓などの臓器の異常を示す兆候は見られないそうです。

また、今回はヘモグロビンの値もだいぶあがって、ずっと悩まされてきた貧血がほぼ解消されたことがわかりました。白血病治療薬のグリベックは休薬して1年が経ちましたが、染色体異常も測定限界値以下が続いています。

がんの転移もなく、白血病はほとんど完治したと言えるでしょう。

その一方で、下痢と便秘を繰り返す胃腸の不調や、喘息や全身のかゆみというアレルギー症状は続いています。また最近は、手先や足先の関節痛も現れて、キャップを捻る動作や、階段の昇り降りが辛かったりします。体を切り貼りしたり、長年薬漬けだったりしたことのダメージが、じわじわと現れているのだろうと思います。

せっかく主たる病が治りつつあるのに、副次的な症状のせいで、診療科も増え、薬も増え、治っている実感が全然わきません。

けれども、9月に入ってから、自分を変えなければならないと思いました。

もう退院してから一年も経ったのです。8月の終わりの花火大会のニュースを見ながら、そうだ去年は病室から眺めていたんだ、それから一年経ってしまったと愕然としました。

この一年、つらい、怠い、しんどいを言い訳にして、何もできなかった自分を見出しました。身体の不具合が増えていって、弱っていくことを当たり前に思っていたのかもしれません。このまま、毎日言い訳をして、なにもしないまま一年また一年と消費していってもいいものか。この先何十年安泰ならまだしも、数年を生きるか死ぬか賭ける身であるからには、もっと時間の短さを真剣に考えておかねばなりません。他人から無理せず大事にと言われようとも、本当は、骨身を削ってできることをしなければならないはずでした。

9月に入り、ぼくは体力をつけるために真剣に取り組もうと決意しました。失ったものは多くあるけれど、今から取り戻せるものもあるはず。しんどくても自らを励まして、少し長い距離を歩くようにしました。筋力を維持するために、チューブトレーニングをすることにしました。歩くスピードだって遅いし、チューブを引っ張れる回数もわずかですが、これが体を強くするんだという思いで、日課にしています。

今回血液検査の値がよかったのは、意志の力と、運動を実践したためだと思います。ぼくはなんとしても、もう少し子どもたちの成長を見守らないといけないのです。そのためには体を強くしないといけません。

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