普段は全然気にもとめなくなってきたのに、2ヶ月に一度の診察日はやはり気分が沈みがちになります。
やることはいつもと同じ。採血をして、血液内科に行って診察を受け、泌尿器科に行ってエコー検査のあとに診察を受け、会計をして薬をもらって帰る、それだけのこと。しかし、病院から帰ってきた後でもなんとなく気が抜けて、何もしたくないような、実際何もせずに机の前に座っていたりするのです。
血液検査の値がほんの僅かに基準値を外れていたからといって、それが大したことではないと思うのです。ヘモグロビンの値がまた10gを割り込みそうだからといって、即座にふらつくわけでもありません。しかし10gという数字を目にすることで、数字が身体を縛りはじめてしまう。
CK(クレアチンキナーゼ)という検査項目があります。男性の上限は250IU/l。これが高いのがここ何回か続いています。通常は筋肉などに含まれるべき酵素が、過剰に血液に溶け出していることになります。激しい運動をしたとかでも高くなるそうです。しかし、腫瘍が細胞を壊しているときも高くなるのです。
なに、たいした値ではないのです。血液内科の先生は、よくお腹が攣ることがあるそうだが、それが影響をしているのだろうと言います。実際そうなのでしょう。ほんの僅か基準値を外れるか否かで一喜一憂してしまう、そういう心のあり方に問題がありそうです。いったいなぜこうも数値に振り回されるのでしょうか。
血液検査からがんの兆候をみつけられるものではないことは、よくわかっています。なにしろずっと血液検査をしていながら、膀胱がんが進行するまでみつけられなかったのですから。
血液検査は、体の状態を間接的に説明するものでしかありません。たとえ異常値があったとしても、様々な要因が考えられ、その異常をもたらしているものが何かを特定できるものではないからです。大地震の前に、犬が騒いでいたとか、雲が異常だったとか、そういうのと同じで、あとから検証すれば、あのときはそういう理由だったのか、と説明付けられるものなのでしょう。
だからこそ、ちょっとした数値の異変に敏感に反応してしまうのかもしれません。そして敏感に反応する割には、これといってどう対処しようもないわけで、そこに無力感を感じてしまうのでしょう。きっとこの気が抜けた状態は、そういう理由なのでしょう。
いずれこの気持も、数日で流されていくのだから、今日はまあいいか…。
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