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ぼんやりとした時間

熊野大社奥にある御神水
昨日は雨がそぼ降る中、ひとり熊野大社にお参りをしてきました。

熊野大社は、結婚してしばらくたってから何の気なしに嫁さんとご祈祷を受けた直後に、ずっとできなかった子どもに恵まれたということがあってから、折にふれてお参りするようになりました。

すでに初詣の賑わいもなくなり、特別に設けられた御札所も片づけ半ばといったところでしたが、それでも参詣する人が次々といらしては手水で手を清め、本殿にお参りをしていました。ぼくも賽銭を投げて手を合わせてお祈りをし、御札所でお守りをいただきました。たまに神頼みをしたからといってどうなるものでもありませんが、境内のひんやりとした空気に身をさらして気持ちを落ち着けることはできます。

1月の診察で新しい病を抱えたことが判明し、これからその治療に向かうわけですが、少し今まで張り詰めすぎていたかなと反省もしました。日々の生活に汲々として、それがあたり前のことと思って、毎日過ごしてきたけれども、そうじゃなかったように思います。どこかぼんやりとした時間を過ごしてしまうことに罪悪感を感じていたけど、本当はそれが生きていくためには大切な時間だったのではないかと。

今更そんなことを考えても手遅れなんだけども、それでも昨日一日だけは一人で時間を過ごすことにしました。

神社に参ったあとは、となりにあるゆうあい八雲館で温泉に浸かりました。ここは子供たちとよく来る場所ですが、この日はひとり。普段なら、子供たちの動向をチェックするのに精一杯で、慌ただしさを感じていたことにも気づきました。のんびりと湯に浸かり、風呂あがりに牛乳を飲み、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

実は神社に行くのに子どもを連れて行くつもりでした。けれども嫁は「ひとりで行ってきなよ」と送り出してくれました。そういう時間を過ごすように言ってくれた嫁さんに感謝したいと思います。

三瓶温泉「鶴の湯」


今からもう30年近くも昔になりますか、高校生の時にまあどんな経緯だったか女子に誘われてJRCという、超マイナーなクラブに入っていました。JRCとは青少年赤十字のことで、いろいろボランティアとかやるんですな。当然部員は女の子ばかりで男子はぼくだけという、今から考えればたいへん恵まれた環境でしたが、当時はなんとなく恥ずかしくてコソコソしていました。ああもったいない。

で、そのトレセンが三瓶山であるというので参加したことがあるんです。これは県下のJRCに参加している子供たちが合宿をして、赤十字の理念を研修するというわけです。まあ女の子が多いわけですが、ポツポツと男の子もいました。

今となってはすっかりその研修内容やらは覚えてもいないんですが、ただ強烈に覚えているのは三瓶の温泉のことです。せっかくだから温泉に浸かれということで、地元の浴場の入浴券をもらってトレセンの間、その温泉に入ったんですよ。

本当に小さな公衆浴場だったのですが、5、6人も入ればいっぱいになるような小さな浴槽に、すごい量のお湯が掛け流しで流れ込んでいて、お湯も赤茶けたにごり湯なんです。浴槽もそのまわりの床もそのお湯の色に染められて変色していて、こんな温泉もあるのかとびっくりしたのでした。時間帯もあるのでしょうが、湯船は独占できるし、ずいぶん堪能したことを覚えています。

先日、子供たちと一緒にサヒメルに行った帰り、ふとそんなことを思い出して、行って見ることにしました。

その名は志学温泉。サヒメルは三瓶の北側ですから、周回道路を回って志学まできました。案内表示に沿って街中に入って行くと、道路沿いに「鶴の湯」という看板を出した浴場がありました。ここだったかなあ、まあいいや入ってみようということで車を止めて訪ねてみました。

店の入り口には手湯と称して石の器が出してあって、そこに滔々と温泉湯が注がれています。そこからあふれた湯は側溝を通り、溝へと落ちていくのですが、三瓶温泉特有の赤茶けた色が染み付いていました。のれんをくぐると右手に自動券売機があって、これは時代の趨勢というものでありましょう。大人300円。以前番台だったところに体躯の良いおじさんが扇風機に座りながら「いらっしゃい」と声をかけてくれまして、そこに入浴券を入れる箱があって、さきほど買った券を入れるのです。

狭い脱衣所は、ところどころ扉の壊れているところもあるけれど鍵付きの木製ロッカーがあり、引き戸をひけば浴場になるのですが、夏場ということもあって引き戸は開けっ放し。浴場の窓も開けっ放しであります。

浴場の真ん中には10人はとても入らないような大きさの長四角い浴槽があって、満々と赤茶けた湯があふれています。ぼくが昔行ったところは円形の浴槽だったので、ああここではなかったのだとその時わかりました。浴槽を取り囲むように洗い場があって、ここは水道の蛇口のみ。床も浴槽も茶色に染まっています。

右手の奥には、壺があってそこに湯がそそいでいます。いや、そそいでいるなどという優しい言葉は間違いで、直径5センチもあろうかというパイプからどうどうと音を立てて湯が流れ込んでいるのです。これをかけ湯に使えとのことでした。湯量はたいへん豊富なようです。

湯に浸かると夏場にはちょうどいいほどのぬるい湯です。子供たちは色のついたお湯に大喜びで、やめろという声も聞かずにもぐったり、泳いだりおおはしゃぎでした。先客のおじさんは、ぼくが子供らを叱っても「まあまあ子どもはうれしいもんだ」と気にする素振りもなくほっとしました。しばらく浸かっていると、あとから二人三人とお客さんがやってきて狭い浴場はいっそう狭くなりました。若い旅の人だと思いますが、お風呂に入ろうとして滑って前のめりに浴槽に突っ込んでしまい、それを地元のおじさんが「ここは足元がみえないからな、気をつけないといけない」と笑ったりして、なかなか和やかな入浴になりました。

久しぶりに三瓶温泉を堪能しました。長男は少しアレルギーでいつも肘のあたりを掻いているのですが、温泉に入ったあとは「痒いのがなくなった」と喜んでいました。温泉地に最近は効能が書かれていないのですが、この温泉は塩化物泉で皮膚病などにも効果があるようです。

あとから調べて分かったのですが、ぼくが高校生の頃行ったのは亀の湯のようで、今も営業しているそうです。志学はすっかり寂れた街で、温泉街らしいという風情もありませんが、なぜだかほっとする浴場で、また機会があれば今度は亀の湯にも訪ねてみたいと思いました。


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鬼の舌震と玉峰山荘の温泉


子どもたちが家にいる土曜日。爺婆に子どもの面倒を見てもらって仕事をしていましたが、どうやら派手に兄弟ケンカをしたらしく「面倒見切れないので、どっか連れていけ」とのお言葉に従って、仕事をまかせて子どもたちを連れ出すことになりました。

幸い天気も回復してきたので、ちょっと紅葉には遅いかなと思いつつ、鬼の舌震に行ってきました。

奥出雲の方はめったにこないので、道も定かではなかったですが、大東から南へ折れて山道を通りなんとか三成までドライブ。鬼の舌震いは、ここを流れる大馬木川にあり、大きな岩が川の流れを複雑に変える渓谷です。名前から鬼も震えるほど怖い場所なのかと思いきや、お姫様を慕ったサメ(ワニ)が夜な夜な日本海からさかのぼってくるので、この場所を岩でふさいでのぼれなくしてしまい、ワニが慕ったが転じて鬼の舌震になったそうです。

松江の方からやってくるとだいたい車を寄せることになる入り口の宇根駐車場から行ってみたところ、なんと遊歩道整備のために工事中で入れなくなっています。来年の春までこちらからは通行止だそうです。「来た意味ないじゃん」と憤る長男をなだめつつ地図を見てみたら、奥の下高尾駐車場から入れるとのことでそちらに向かいました。

はじめてこの下高尾駐車場に車を入れると、観光バスもきていてなかなかの盛況です。テントも出ていて、地元の方が舞茸ご飯やナメコ汁を販売していました。ちょうどお昼頃で、腹ごしらえをしてから渓谷に向かうことにしてご飯を食べていたら、焼き椎茸もサービスしてくれました。

渓谷はやはり紅葉も終盤。カエデなどはまだ赤く葉が残っていましたが、そのほかはたいてい散っていました。

写真を撮っていたら、長男が「ぼくも撮りたい」というので一眼レフを渡すと、これがまた撮りまくること撮りまくること。しかもその小さな身体で、ポーズをつけてしゃがんだり「木が邪魔なんだよな~」とか言いながら場所をずらしたりするもんですから、他の人がにやにやして見られるわけです。いささか恥ずかしくもありますが、親から見てもおもしろいのですから、仕方ない。それでも途中で見つけた珍しいクモなどはけっこう上手にとれていました。

工事中の行き止まりのところまで歩いて、それからまた引き返したのでけっこう歩いて疲れたのですが、今度は「温泉に行きたい」というので、亀嵩の玉峰山荘に行きました。ここは宿泊施設なのですが、日帰り温泉入浴もできるようです。先日、女流将棋の倉敷藤花戦がここで開催されました。

入って靴をロッカーに入れてスリッパに履き替え、右手の方に進んでいくと入浴施設があって、券売機があります。大人500円、子ども200円。砂風呂や家族風呂などもあって、なかなか充実した施設です。あとから考えたら家族風呂にした方がやすかったかもしれない…。また今度くるときには聞いてみよう。

泉質は単純アルカリ温泉で源泉の温度は29.5度と低め、加温しているようです。脱衣場のロッカーは鍵付き。浴場には、サウナやジェットバス、水風呂もあり、もちろん露天風呂もあり、なかなか豪華でした。

しかし、いつもそうなのですが、うちの子どもは風呂からあがるのが早い…。せっかくお金出して入ったのだから、もう少しゆっくりしていけばいいのに。

帰りは布部を通って広瀬から八雲に入る432号をそのまま走って帰ってきたらもう夕方。でも久しぶりに家族連れで出かけたので、子どもたちもそれなりに満足したようです。いい家族サービスになりました。

子どもといる幸せ

雨の日曜日、子どもは手持ちぶさた。兄弟げんかをしては親の雷が落ちるの繰り返し。仕事場にはやってきて、ビデオを見せろとうるさいので、しょうがなくPCに入っている動画を見せたら、こちらは仕事もできず…。

こんな日は温泉に連れて行くこと。従業員が揃った時間を見計らって、近場の温泉に連れ出しました。

わが家の子どもたちは温泉が大好き。温泉に行くぞと一声かければ、喜んでついてきます。親としては、お手軽な温泉程度で喜んでくれる子どもたちにもありがたいなあと思いつつ、本当はもっと旅行などに出かけられたらと、申し訳ない気持ちもするのですが。

それでも温泉にゆっくりつかって、時々プールに入っているみたいにはしゃぐ子どもたちを叱りながら眺めていると幸せだなあと感じます。

子どもたちも大きくなって、いろんな話をすることもできるようになりました。

熊野温泉は内風呂は広いけど露天風呂が狭い、だから美人の湯がいい、でも、美人の湯で停電があったときはびっくりした、滝がとまって電気も真っ暗になって怖かった、とかそういう話をおもしろおかしく長男が話すのです。

何気ないたわいのない思い出を共有できるようになった。ああ、子どもをもつということは、妻以外にも日常を共有できる喜びがあるのだなあ。そう思うととても感慨深いものがありました。

完全な庇護者としての親を今まで演じてきた(?)のですが、そういうものでもない、もっと違う一人の人間として子どもと話せるようになった感覚なのでしょうか。子どもがそれだけ成長してきたのだと思います。

やがて子どもは自分自身の力で生きていき、親から離れていくのでしょう。それまでの間のほんのひととき、この共有する時間を楽しみたいと思いました。

ひかわ美人の湯に行ってきました

美人の湯

土曜日曜はたいてい子どもたちがいて、どっかへ行きたくてうずうずしているのです。親の方は仕事中で土日は人も足りないので、なかなか刷りあわずどっちもフラストレーションが溜まるんですね。で、仕方がないので近場で楽しめるところへ連れていくことが多いです。

ということで土曜日に子連れで温泉に行ってきました。最初は近場の熊野温泉のタダ券があるのでそこに行こうと思いましたが、どうせだったら行ったことのないところへ行こうと湯の川温泉のひかわ美人の湯へ行ってみました。国道9号線の道の駅湯の川から山側に車を5分ほど走らせると到着します。ここは出雲いりすの丘という牧場併設の公園の中にありますが、いりすの丘は経営不振で閉園となり今は温泉施設だけが営業しています。

入浴料は大人500円と公共的な温泉にしてはちと高いわけですが、施設はそれなりに立派なのでまあいいかな。スタンプカードも作ってくれて、のべ10回行くと入浴が1回無料になるそうです。今回子ども二人と行ったので三つスタンプを押してもらいました。

湯温はそれなりに高め。ナトリウム・カルシウム – 硫酸塩・塩化物泉ということで飲用はできませんが美肌とかに効果があるそう。内湯よりも露天風呂の方が広く、大きな池のような浴場には打たせ湯もあり、それとは別に源泉掛け流しのお風呂もあります。お湯の出口にはカルシウムの塊のようなのもついていました。脱衣場から写真をとりましたが、だれも入ってないからいいよね。

美人の湯

土曜日の午後でしたが、雨も降っているせいか人も少なめ。特に露天風呂は独占できました。子どもたちは池のようなお風呂に大喜び。まるでプールのように遊んでいました。そのたびにしかるのですが、もう少しマナーをまもらせるようにしなくちゃいけませんね。かれこれ30分以上も入浴していたでしょうか。出る頃にはすっかりのぼせてしまいました。

二階には結構広い休憩所があって、マッサージチェアとかあります。寝てる人がたくさんいました。食堂もあって、価格も抑えめなので家族で行くにはいいのではないかと思いました。