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鬼の舌震と玉峰山荘の温泉


子どもたちが家にいる土曜日。爺婆に子どもの面倒を見てもらって仕事をしていましたが、どうやら派手に兄弟ケンカをしたらしく「面倒見切れないので、どっか連れていけ」とのお言葉に従って、仕事をまかせて子どもたちを連れ出すことになりました。

幸い天気も回復してきたので、ちょっと紅葉には遅いかなと思いつつ、鬼の舌震に行ってきました。

奥出雲の方はめったにこないので、道も定かではなかったですが、大東から南へ折れて山道を通りなんとか三成までドライブ。鬼の舌震いは、ここを流れる大馬木川にあり、大きな岩が川の流れを複雑に変える渓谷です。名前から鬼も震えるほど怖い場所なのかと思いきや、お姫様を慕ったサメ(ワニ)が夜な夜な日本海からさかのぼってくるので、この場所を岩でふさいでのぼれなくしてしまい、ワニが慕ったが転じて鬼の舌震になったそうです。

松江の方からやってくるとだいたい車を寄せることになる入り口の宇根駐車場から行ってみたところ、なんと遊歩道整備のために工事中で入れなくなっています。来年の春までこちらからは通行止だそうです。「来た意味ないじゃん」と憤る長男をなだめつつ地図を見てみたら、奥の下高尾駐車場から入れるとのことでそちらに向かいました。

はじめてこの下高尾駐車場に車を入れると、観光バスもきていてなかなかの盛況です。テントも出ていて、地元の方が舞茸ご飯やナメコ汁を販売していました。ちょうどお昼頃で、腹ごしらえをしてから渓谷に向かうことにしてご飯を食べていたら、焼き椎茸もサービスしてくれました。

渓谷はやはり紅葉も終盤。カエデなどはまだ赤く葉が残っていましたが、そのほかはたいてい散っていました。

写真を撮っていたら、長男が「ぼくも撮りたい」というので一眼レフを渡すと、これがまた撮りまくること撮りまくること。しかもその小さな身体で、ポーズをつけてしゃがんだり「木が邪魔なんだよな~」とか言いながら場所をずらしたりするもんですから、他の人がにやにやして見られるわけです。いささか恥ずかしくもありますが、親から見てもおもしろいのですから、仕方ない。それでも途中で見つけた珍しいクモなどはけっこう上手にとれていました。

工事中の行き止まりのところまで歩いて、それからまた引き返したのでけっこう歩いて疲れたのですが、今度は「温泉に行きたい」というので、亀嵩の玉峰山荘に行きました。ここは宿泊施設なのですが、日帰り温泉入浴もできるようです。先日、女流将棋の倉敷藤花戦がここで開催されました。

入って靴をロッカーに入れてスリッパに履き替え、右手の方に進んでいくと入浴施設があって、券売機があります。大人500円、子ども200円。砂風呂や家族風呂などもあって、なかなか充実した施設です。あとから考えたら家族風呂にした方がやすかったかもしれない…。また今度くるときには聞いてみよう。

泉質は単純アルカリ温泉で源泉の温度は29.5度と低め、加温しているようです。脱衣場のロッカーは鍵付き。浴場には、サウナやジェットバス、水風呂もあり、もちろん露天風呂もあり、なかなか豪華でした。

しかし、いつもそうなのですが、うちの子どもは風呂からあがるのが早い…。せっかくお金出して入ったのだから、もう少しゆっくりしていけばいいのに。

帰りは布部を通って広瀬から八雲に入る432号をそのまま走って帰ってきたらもう夕方。でも久しぶりに家族連れで出かけたので、子どもたちもそれなりに満足したようです。いい家族サービスになりました。

旅の終わりは列車で

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出張で石川県金沢市に行ってきました。今回なぜか羽田経由の空路で行き来する日程だったのですが、帰り道にぼくだけ東京でおろしてもらいました。

旅に出ることがあまりないぼくにとって、こういう機会はめったにないので、くも膜下出血でたおれた東京の親戚のお見舞いと、大阪にいるtwitterの友達をぜひ訪ねてみたかったのでした。

そしてもうひとつ理由があります。ぼくは若い頃から鉄道の旅が大好きなのです。若いときは、一筆書き切符というのですが、松江からぐるっとまわって東京に、しかも鈍行でいったりしました。

飛行機の旅ももちろん好きです。鳥よりも高く飛ぶなんて滅多にできません。いつもよりも濃い青空やミニチュアのような建物を見るのは新鮮です。なによりあっという間に目的地に着きますし。

それ以上に鉄道の旅がなにかしっくりきます。なぜかなあと考えていました。

長旅の最後に岡山からやくも号に乗って外の景色を眺めながら、それがわかってきたような気がしました。

旅慣れしていないぼくにとっては旅は非日常の世界。新鮮な景色、初めて見る食べ物、いつもと違うベッド、いろんな人との出会い…気持ちが高揚した楽しい時間。でもそれがいつか終わることを知っています。

車窓から眺めるとそこにはたくさんの家々があって、そこには一人ひとりの日常があって、そこで毎日生活をしている人たちがいます。ぼくは列車の窓から非日常世界の傍観者としてそれを見ることができる。

やがて列車は人家まばらな谷を越え、山の中を走っていきます。分水嶺を越えて川の流れる向きが変わると、少しずつ見覚えのある景色が現れます。やがてまた人家が増え、街並みが見えてきます。しかし、今度は傍観者としてではなく、その土地に縛られた生活者としてその景色が見えてくるのです。

非日常から日常へ、その間に感じる寂寥感がたまらないのです。それは寂しく、切なくもあるけれど、だから余計に旅していたことを強烈な記憶として脳裏に焼き付ける、自分なりの儀式なのかもしれません。

飛行機の旅は、突然非日常の世界から現実の世界に戻される気がします。目的地から目的地へ。多くの人にとっては旅は特別なものなのでもないのかもしれません。

でもぼくはそこに感傷を持ち込みます。いつもと違う日々が終わるとき、そこに飛行機よりも長い時間とうつろいゆく車窓からの景色がぴったりくるのです。

旅の終わりは列車で。たまにしか旅に出ないぼくのささやかな望みです。

岡山でえびめしとパフェを食べる

金曜日から土曜日にかけて仕事で岡山に行ってきました。とある業界の委員になっていて、その委員でいる限りは、だいたい半年に一回程度中国地区合同委員会ということで岡山に行くことになるのです。本当は、先月をもって退任できるはずだったのですが、願いかなえられず今月岡山に行くことになりました。

で、いつも漫然と会議をして懇親会をして翌朝松江に帰るというのもどうかと思い、今回はえびめしとパフェを食べて帰ろうという目標をたてました。

Okayama

きけば岡山のB級グルメは蒜山やきそばとかホルモンうどんとかのほかにも、えびめしなるものがあるとか。もともとは東京のレストランが出していたそうですが、なぜか岡山で人気だそうです。まあ、本家本流を探るような旅でもなく、所詮は市内をうろうろするだけですので、到着した当日に岡山駅ビルの1階にあるlunch&beer SUNというお店にえびめしなるメニューがあったので、食べてみました。

まあ写真で見ればイカスミででも炒めたようなエビチャーハンなのですが、味はデミグラスソースベースで、ほかにほんのり甘い感じ。もうちょっとスパイシーなものかと思いました。それなりにおいしくいただきましたが、ま、話の種に食べてみるくらいな感じでしょうか。

一方岡山は桃やぶどうなどのフルーツが有名と言うことからフルーツパフェの街とかいう展開をしているそうなので、翌日せっかくだからとパフェも食べることにしました。

岡山珈琲館 駅前店

行ったのは泊まったホテルに近い岡山珈琲館駅前店。ここでフルーツ&杏仁豆腐のパフェとエスプレッソを注文。こちらはなかなかよかったです。最上層にピオーネとメロンとオレンジが乗ってるソフトアイス。その下にブドウゼリー、杏仁豆腐、一番下にミックスベリーを凍らせたものと言う具合で食べ応えもあり。特に一番底のミックスベリーが甘ったるくなった口の中をしゃっきり締めてくれました。

さらによかったのはエスプレッソで、とてもパンチが効いているにもかかわらずしっかりコーヒーになっていて、久々においしいエスプレッソでした。

朝早くで、次々とお客さんがこられていたのですが、店員さんは二人だけ。ところが、仕事もてきぱきとこなされ接客態度もよく、いきとどいたお店という感じがしました。朝のモーニングが主力の時間帯にパフェを食うという邪道な客にも快く接してもらいとても好印象でした。

ということで今回の目的も果たして無事に松江に帰りました。

会議…そう会議もありましたねw

BATADEN~一畑電車百年ものがたり~を見に行く

商売をやっているので、ゴールデンウィークでも休みなし。しかし、子どもたちはおやすみモード。どこか連れていけとうるさいことこの上ありません。ということで仕事を預けて、古代出雲歴史博物館に行ってきました。子どもたちにはいつも近場で申し訳ないのですが。

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今、こちらでは「BATADEN~一畑電車百年ものがたり~」と題した企画展が開かれています。一畑電車の歴史がわかるということで、鉄道ファンには興味ある企画。ゴールデンウィークということもあって、駐車場も満杯。たくさんの家族連れや鉄道ファンが訪れていました。
企画展では、かつて走っていた広瀬線や立久恵線の資料や写真、一畑パークとからめて昭和の香りのする展示物などもあり、大人にはとても楽しかったのですが、まだ小さい子どもたちにはなかなかその魅力がわからなかったようです。さわっちゃいけない展示物にすぐ触れようとするし、すぐに飽きて外に出たいの大合唱でした。
ちなみに企画展ではなんと写真撮影OK。フラッシュは使えないのですが、最近のデジカメは増感しても、手ぶれ補正もありますし、きれいに撮れます。

またクイズラリーもあって、正解を○×で記入。全問正解で、グッズが貰えます。またグッズが貰える場所で、一畑電車の型紙があって、それに自由に色を塗った。オリジナル缶バッチを作ってくれます。親子連れでも楽しめる企画でした。

その後出雲大社前駅に移動して、展示中のデハニ52を見ました。外からはなんども見たことがあったのですが、中に入ったのは初めてです。さすがに最古級の電車ということもあり、車内は時代を感じさせます。木製車両独特の木とニスの混じった匂いが懐かしい。ぜひ長く保存してもらいたいなあと思いました。

歩いて歩いて5キロくらい歩いたでしょうか。フラフラにして子どもを寝かせる作戦でしたが、お父さんのほうがバテバテでした。

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岡山に行ってました

路面電車運転台

出張で岡山に行ってきました。今回は一人で行ったので、岡山の街中、といっても駅前程度ですが、ぶらぶらと歩くことができました。

旅に行くと、一人で知らない街を歩くことが好きです。これといった目的もなく雑踏の中を歩くとき、街を歩いている人たちは、毎日の生活の延長線上に目的を持って歩いているわけです。その中に一人だけぽつんと取り残された、非日常の立場にいる自分がいる。それは寂しいという気持ちもありますが、同時に新鮮な気持ちになるのです。それは川の流れを外側から見ている感じでしょうか。

やはり岡山は松江から見たら都会でした。駅前の人の波が全然違う。そこには莫大なエネルギーがあるような気がしてきます。その中にまぎれ生活していくとなると、それは大変な苦労もあるけれども、そのエネルギーの中からなにかを生み出せそうな気もしてきます。

やはり人口というのは、都市を形作る上で大切な要素なのではないかと感じないわけにはいきませんでした。ふりかえって自分の住むこの松江の地はなんとこぢんまりしていることでしょう。

私もそうですが、この地でもがんばって生活している人がいます。しかしいつかその環境がよどんだ空気になっていても、満足してしまうこともある。たまに外に出て新鮮な風をあびることも必要なのかもしれないと思いました。