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fumiton について

島根県松江市在住。既婚。妻一人、息子二人。2017年末に犬が加わりました。慢性骨髄性白血病(完全寛解中)、膀胱がんステージⅢサバイバー(2013全摘)。まあどうにかこうにか生きています。

他人を信頼する人になってほしい

外との接触を断とうとする長男

長男が暴れているので来てくださいと小学校から呼び出しがありました。そういうときは、父親であるぼくを呼んでもらうようにしてあるのです。到着すると、会議室の床の上に長男が顔を覆って伏せており、先生方がやり場ない様子で、長男の周りを囲んでおられました。いつものパターンです。

その時、彼は何も聞こうともしないし、何も言おうともしません。顔を覆う手を払おうとすると、大きくかぶりを振って、ひたすらに顔を覆うのです。彼は今、ただひたすらに外の世界との接触を断とうとしています。

しかしこのままにしておくわけにはなりません。次のステップに進むためには、なんとしても外とつながってもらわねばなりません。

「なんでお前はこうなんだ!」と言いたい気持ちを呑み込んで、時間をかけて、まず床に臥せっているのを座らせて、深呼吸をさせて、それから怒りの理由を聞き出すのです。

外との接触を断ち、心を閉ざす長男にぼくはいつも言うのです。
「いいか、君は今とてもつらいはずだ。怒りの気持ち、失敗して恥ずかしい気持ち、それらを今溜め込んでいる。それは余計つらいぞ。誰もオレのことをわかってくれないと思うだろう。でも君が自分の心を語らなければ、誰もどうしていいかわからない。だからなんでもいいから心に浮かぶことを話せ。誰もそれでバカになんかしない」

それでも語ることができるようになるには30分位かかるでしょうか。ようやくぽつりぽつりと心の断片を語りました。今回、音楽会の練習で先生に注意されたことがきっかけではありましたが、深いところでは、なかなか練習できず、うまくできない自分へのいらだちや悔しさがあったということがわかってきました。

その思いは受け止めておいて、まずは、暴れたことで先生やまわりの友達に迷惑をかけたことを反省しなければなりません。今日はそれだけでよいからと、暴れたことについての謝罪をさせて連れて帰りました。

心の澱を溜め込むことが爆発につながる

長男が暴れるのには必ず理由があるのです。何かに腹が立ったり、不満だったり、それは外から見れば稚拙な理由であることが大半ですが、彼にとって抑えがたい感情が行動となって物にあたったり、騒いだりするのです。

そこに至る前に、彼自身が気づいて自分の気持ちを観察できるようになれば、暴れる前に処理をすることができるでしょう。しかし、それは大人であっても難しいことです。

ぼくはそんなときに、彼の感情の澱を口に出してほしいと思うのです。自分が今何に苛ついているのか、どういう気持になっているのか、それを聞いてくれる人を見つけてほしいのです。その相手が必ずしも今の問題を解決してくれるわけではないかもしれない。けれども、それを吐き出すことできっと楽になることがあるはずなのです。

彼はそれをしない。すべての感情を溜め込もうとします。しかし心のバッファが小さいがゆえに、すぐにそれは暴発してしまいます。

その時まわりの友達が彼を嗤い、大人たちが責め立てると、彼はますます外との接触を断ち、孤独の海に沈んでいきます。ぼくは仕方ないので、後付でもどんな思いをしていたか聞き出すことで、彼の心を開かせようと試みるしかありません。

人を信頼できないのはなぜか

常日頃ぼくは「誰でもいいから信頼できる友達や、大人を作りなさい。何かもやもやしたらその人に相談しなさい」と長男に言います。

彼は「そんな人はいない。話しても無駄」といいます。

ぼくはそれがとても残念でなりません。彼は友達にも本当に恵まれているようにも思います。これだけ学校で問題を起こせば、仲間に入れてくれなくなりそうなものですが、サッカー部をやめた今でも「またサッカー部に帰ってこいよ」と言ってくれる友達がいます。担任の先生にしても、毎週仕事が終わると家庭訪問をして様子を報告してくださるし、ここしばらく日曜日に学校で音楽会の練習さえつきあってくれました。

誰もが彼に手を差し伸べているのに、それを拒否しているのが実にもったいないし、残念に思います。

人が人を信頼するときに、やはり自分の心を開いてさらけ出さなければなりません。それが彼には怖いのでしょう。心を開くことで、馬鹿にされるのかもしれない、裏切られるかもしれない、結局話しを聞いてもらえないかもしれない。

ぼくは、その恐怖を取り除いてくれる人を見つけてほしいのです。

教育センターに通う

中学校に向けての進路や、ソーシャルスキルトレーニングについて調べる中で、島根県教育センターの教育相談の存在を知りました。

教育相談のご案内(PDF)

ここではソーシャルスキルトレーニング自体は行っていませんが、学校生活や家庭生活で様々な悩みをかかえた子どもたちが来所して、担当の相談員に話を聞いてもらったり、遊んだりして過ごすことができるそうです。

最初に親だけで相談に行って、説明を受けたときに「ここでは子どもを評価しないし、否定もしません、また相談を受けた内容は親御さんであっても秘密にします」と言われました。相談員との人間関係を構築して悩みを受け入れるというのは、ぼくが言っている信頼できる大人を見つけることにつながるかもしれないと思いました。うまく相談員の先生との関係が築ければ、彼の心の負担が減るかもしれません。

次の週に、長男を連れて一回目の相談に行きました。男性の先生が担当となり、50分間遊んでもらったようです。親の方は相談室で、もうひとりの担当の先生に子どもの様子などについて話を聞いてもらいました。本人はとても楽しかったようで、また来たいということになったので、二週間に一度程度の頻度で通うことにしました。また親にとっても、日頃の子育ての辛さを聞いてもらえることで少し楽にもなりました。

その間、学校の授業を抜け出さねばならないのですが、今の彼には学校の授業よりも、人間関係の構築のほうが大切なのかなと思います。

それでも正解はない

親はなんとか彼が社会性を身につけて、自分の力で生きてほしいと願っています。彼がそうできるように親の立場から勉強し、いろいろな人と会って、どうすればいいか考えてきました。けれども、こうすればあなたのお子さんは自立できる、などという答えはだれも教えてくれません。

ぼくには長男の心の痛み、苦しさが手に取るようにわかるような気がします。それをどのように癒すか、自分なりには答えを見つけられます。でも、それはぼくの視点での答えであって、彼の答えではありません。正しく彼を導いてやることができない、それがとてももどかしいのです。

親にできることは、ただ愚直に全力で彼と向き合うことしかできないのかなと思っています。全力で向き合ってくれたことを、彼がわかってくれる日がくれば、それが自分自身への救いになるのでしょう。

ミライがきてひと月

鳶色の猫ミライがわが家にやってきてひと月が経ちました。

来たときはガリガリに痩せていて、よほどひもじかったのでしょう。猫砂まで食べたりしていました。

9月23日

9月23日

やがてわが家にも少しずつ慣れて、子どもたちにも慣れて、自分の居場所を見つけるようになりました。でもやっぱり膝の上がお気に入りです。撫でてやると、時々確認するように顔をあげて覗いてくるのがかわいいんですよ。

9月26日

9月26日

完全室内飼いなので、外には出られませんが、陽のあたる場所で顔を洗ったりしてくつろいでいます。ミライも外の世界にはまだあまり興味が無いのか、窓を開けても外に出ようとしません。

9月27日

9月27日

10月に入ってから、予防接種を受けに行きましたが、便の中に虫がいて接種がなかなかできませんでした。マンソン裂頭条虫というものだそうで、これはカエルやヘビといった爬虫類を捕食するとつくことがあるそうです。うちに来るまでにいったいどんな生活をしていたのでしょうか。そういえば、トイレもなかなか猫砂でやってくれず、風呂場などの水のあるところでやってましたから、水辺で暮らしていたのかもしれません。動物病院では虫下しを飲まされておりました。

古くなった子供の服を敷いた箱をベッドにしたつもりですが、猫の爪とぎの上にいつも座っています。

10月3日

10月3日

現役で使っている子供服の上ではくつろいでいます。あまり脱ぎ散らかせません。

10月3日

10月3日

ところで、ミライはときどき舌が出ています。前にいたニャン太はそんなことがなかったので、なかなかおもしろいものです。

10月7日

10月7日

子猫らしいやんちゃなところが出てきました。床に転がっているペンなどに飛びついたり、子どもがちょっとしたおもちゃをつくるとすぐに飛びつきます。

10月8日

10月8日

一度の虫下しでは効かず、毎週のように病院通いをして、三週目にしてようやく虫がいなくなり予防接種を受けることができました。体重も1.6キログラムとなって見た目もずいぶん大きくなったように思います。トイレもようやく覚えてくれて、ひとりで留守番をさせていても安心になりました。

10月17日

10月17日

この冬には避妊手術を受けようと思っています。メス猫なので生理のときにどうなるのか多少心配でもあります。

SoftbankからIIJmioに転出した

IIJmioのSIMカードとiPhone

SoftbankからIIJmioへ

SIMフリーのiPhoneも用意できたので、長年お世話になったSoftbankからIIJmioに乗り換えてみました。

SoftbankとはiPhone3G以来のおつきあいでした。当初は、エリアも狭いし、ちょっと混雑するとすぐに繋がらなくなったりしましたが、今ではエリアの不満もほとんどなく、爆速で、回線品質等に不満は全然ありません。ただ、Wi-Fiで家や会社を固めて、電話も少ししかしない、外ではそれほど高速回線はいらない身としては、価格に見合ったサービスを受けられなくなったように思います。

それは他のMNO(移動体通信事業者)にしても同じこと。横並びのサービス、横並びの価格では大手キャリアを選びようがありません。ということで、MVNO(仮想移動体通信事業者)と契約することにしたのです。

IIJmioを選んだのは、MVNOの老舗として名前が知れていて、ユーザーの満足度も高いように思ったからです。契約もすべてインターネット上で完成してわかりやすかったですし、Amazonなどで販売されているパッケージを買えば、初期費用がだいぶ節約できます。

自分でMNPをやってみる

最近のMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)は自分で開通手続きができるそうで、電話の不通になる時間をとても少なくできました。

流れとしては

  1. Amazonなどで音声SIM用のパッケージを買う
  2. MNP予約番号を取得する
  3. IIJmioのページで申し込みをしてSIMが送られてくるのを待つ
  4. SIMが来たら開通手続きをする
  5. 電話が不通になったらSIMを入れ替えて使えるようにする

という感じになります。

1.Amazonなどで音声SIM用のパッケージを買う

Amazonで売っている音声SIMパッケージは、後日SIMが送られてくるものなので、パッケージそのものはただの厚紙です。この厚紙の中にエントリーコードが書かれていて、申し込むときにこれを入力することで初期費用が免除されるというものです。

MVNOのサイトで申し込むと初期費用をまともに払わねばなりませんが、通販ではこのパッケージがディスカウントされていることが多く、初期費用がだいぶ節約できます。

IIJmio みおふぉん SIMカード 音声通話パック [フラストレーションフリーパッケージ (FFP)] 【Amazon.co.jp 限定】
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2.MNP予約番号を取得する

MNP予約番号は、やっぱり電話で取ったほうが気が楽ですよね。ですので、専用窓口を調べて電話をしました。

ソフトバンクから他社へ変更する場合 | お客さまサポート | モバイル | ソフトバンク

自動音声ガイダンスにしたがって、MNPしたい電話番号とネットワーク暗証番号を入力するとオペレーターにつながります。今回2回線をMNPしたのですが、オペレーターにつながったら別の回線もMNPしたい旨をいえば大丈夫です。

解約の理由を尋ねられてやっぱり価格ですと答えると、Yモバイルへの好条件での転出を強く勧められますが、ここをじっと耐えてMNP予約番号をもらいます。MNP予約番号自体は携帯電話にSMSで送られてきます。

3.IIJmioのページで申し込みをしてSIMが送られてくるのを待つ

IIJmioのサイトでは手順に沿って申込みをしました。今ではどのプランでも2枚までSIM(携帯電話に差し込むICカード)が使えてデータ量を分け合えるので、3GBを二人で分け合うなら2,700円 通話料で運用できるようです。

ぼくはルーター用のデータSIMも欲しかったので、ファミリーシェアプランで音声SIM2枚、データSIM1枚を注文しました。これで10GBを分け合って3,960円 通話料の運用になる予定です。

申し込んでからデータSIMは翌日に、音声SIMは3日後に送られてきました。

4.SIMが来たら開通手続きをする

データSIMはルーターに挿入して、APN(アクセスポイント名)の設定をすればすぐに使えるようになります。

音声SIMはMNPなので、オンデマンド開通センターに電話をして開通手続きをします。手続きは全部自動音声案内で電話番号とSIMの識別番号を入力するだけです。

ただしすぐに開通するわけではありません。開通メールが届くのは約2時間後でした。実際にはメールが届く前に開通するようです。ぼくの場合、手続き後約1時間でSoftbankの回線が使えなくなり圏外の表示になりました。そこでSIMカードを入れ替えて、iPhoneの場合はみおぽんというアプリを使って構成プロファイルをインストールすると、すぐにIIJmioでつながるようになりました。

開通してもすぐに高速回線や割引電話が使えない

クーポンスイッチアプリみおぽん

IIJmioには電話番号の前に0037691をつけると通話料が半額になるみおふぉんダイヤルという仕組みがあるのですが、開通してすぐに使えるわけではありませんでした。もちろん通常のダイヤル発信はできますが、プレフィックスをつけると「お繋ぎできません」とアナウンスされてしまいます。ぼくの場合は、開通手続きから約3時間後にみおふぉんによる発信ができるようになりました。

また、高速回線での接続をIIJmioではクーポンを使うと呼ぶそうですが、このクーポンもすぐに使えるようになりません。それまでは200kbpsの低速通信になります。これが結構時間がかかって、半日ほどかかりました。

またIIJmio クーポンスイッチというIIJmioのクーポンを切り替えるアプリがあるのですが、アプリからすべてのSIMの設定ができるようになったのは、開通から9時間ほどたってからでした。

ということで、開通してもすぐに様々な機能が使えるわけではないので、時間の余裕があるときに開通したほうが良いようです。

速度はそれなり。低速時もまずまず使えそうな感じ。

RBBスピードテスト結果

何回かスピードテストをしましたが、速度は数Mbpsといったところ。下りよりも上りのほうが速度は良いです。Softbankでは数十Mbpsが出ることもあったのでかなり見劣りはしますが、数Mbpsでていれば実用上問題はないと思います。もっとも普段Wi-Fiなど使わず、大きなファイルをやりとりする使い方では物足りないかもしれません。

クーポンオフの状態では速度が200kbpsに制限されます。とはいえ、Twitterなどの文字多めのSNSは、写真とか読み込まなければ普通に使えます。Facebookもそんなにストレスを感じません。Instagramはフィードの取得は早いですが、写真の読み込みに少し時間がかかります。らじるらじるなどのネットラジオは、音声が流れ出せば途切れることはないですが、起動時のチャンネルの取得などにだいぶ時間がかかる印象です。地図アプリ、ポケモンGO、Ingressなどは割りとすぐに表示されましたので、それほど問題なくできそうです。

ただIIJmioでは、低速時に3日間で366MBを超えると極端な速度規制がかかるそうなので、低速がまずまずだからと24時間かけっぱなしみたいなことはやめたほうがいいかもしれません。

でもまあぼくの使い方では、クーポンは常にオンにしていても、嫁さんと共有の10GBを使い切るようなことはまずないので、杞憂というものかもしれません。

これから一年間はお世話になろう

まだ支払いをしてませんし、最初の月はMNP手数料やらなんやらで出費が多くなりますが、だいたい電話代は二人で今までの半額程度になると思います。通話は従量制なので、使用量をみてから、3分とか5分以内でかけ放題のサービスを考えたいと思います。

IIJmioの音声SIMは一年間の縛りがあります。といっても一年経ってしまえば、それ以降は違約金は発生しません。これからどのように通信環境が変わっていくかはわかりませんから、やっぱりそういう方が気が楽ではありますね。まずは一年間お世話になろうと思います。

IIJmioと契約しようかなと思われた方は、下記の紹介コードを申込時に入力すると、データ量が増量になるそうですので、よろしければお使い下さい。

IIJmio申し込みページ
紹介コード 967 9370 1058 067

iPhone7を買いました

iPhone7ゴールド128GB
久しぶりにiPhoneを発売日に手に入れました。

携帯電話の更新月になり、キャリアとの契約もそろそろ見直さなければなりません。一括0円で手に入れたiPhone5sの月月割が終われば、どんと電話代があがってしまいます。

電話もそれほどかけないし、通信も何GBも使わない身としては、今の三大キャリアの指向している、電話かけ放題に通信は大容量で、というのはまったくニーズにあっていません。子どももまだ小学生だし、家族で分け合うほどのこともありません。そろそろ、キャリアからの卒業をしようと思いました。

それにはSIMフリーの電話機が必要です。すっかりアップルのエコシステムに取り込まれてしまっているので、安くて高性能だとわかっていてもAndroidに変えるのをためらってしまいます。ということでSIMフリーのiPhoneを選択せざるを得ません。

実はちょっと前に、今後を考えてiPhoneSE一台をアップルのサイトで買い、5sから移行して使っていました。9月には嫁さんも更新月になるから、そのときにもう一台SEを買って与えようと思っていたのです。

けれどもiPhone7の価格を見て、予想していたよりもちょっと安かったことに心が揺らぎました。これが10万円を超えていたら、おとなしくSEにしていたでしょうが、そうでなかったのです。

気がついたら予約開始時間にPCの前にスタンバイしてポチってしまい、発売日当日に到着したらすぐさまSEから移行していました。空になったSEはちゃっかり嫁さんに渡して移行してあげました。

富士山さんは思春期より

こうして手にしたiPhone7はやっぱり良いです。6が発売されたときに「あんな大画面はiPhoneじゃない」と強がりを言っていましたが、あれは嫉妬でした。やっぱり大きい画面は良いです。さすがに文字を積極的に打とうとは思いませんが、漫画は読もうと思える大きさでした。

水に濡れても平気

防水もあるとのことで、雨の中おかまいなしに使えるのもいいです。最初はおっかなびっくりでしたが、そのうち当たり前のように雨の中や濡れた手で使うようになりました。

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128GBはやっぱり余裕があります。これでようやくFinalFantasy9ができます。しかし128GBというのは、今テキストを打っているMacBook Airと同じ容量です。なんだか複雑な気分です。

なんだかんだいって、再びiPhoneを触っている時間が増えました。画面が見やすくなったからでしょう。

さて、準備は整いましたので、10月に入ったらいよいよ格安SIMに移行しようと思います。

名前はミライ

くつろぐミライ
昨日我が家にやってきた鳶色の子猫。ずいぶんお腹が減っているようでした。動物病院でもらったロイヤルカナンの試供品を少しずつ与えましたが、あっという間に平らげて、足りないと見るやトイレの猫砂を食べはじめたのには閉口しました。

何度制しても食べてしまうので、仕方ないわと放っておいたら、気持ちが悪くなったのか吐いてしまい、それ以来猫砂を食べることはやめたようです。もっとも食欲がないよりは、どんどん食べてくれたほうが安心ではあります。

いつまでも猫、猫というわけにいかないので、名前をつけようということになり、子どもたちに考えさせました。長男はいい案がでないようで、考えあぐねていましたが、次男はすぐに「ミライはどう?」と言いました。嫁さんも「未来の別の読み方をするとお母ちゃんの名前になるからいいじゃない」と言います。長男は「なんでもいい」とそっけありません。

「ミライ」「ミライ」…

こうしてミライという名前をもらった彼女といえばまるで聞く耳を持たず、食べるものはないか部屋中をあさっていました。呼ぶ方もつい「にゃんた」と言ってしまうことがありますが、だんだん慣れていくでしょう。

我が家に来て二日目。仕事でなかなか面倒をみてやれませんが、たまに部屋に戻ると、ミライは陽のあたる窓際に居場所をみつけて、それなりにのんびり過ごしているようです。ただ、よほど猫砂に懲りたのか、トイレを使わずバスマットの上に立派なうんちをしておりました。がっくり。

再び猫を飼う

新しく迎えた猫
にゃんたが亡くなって半年余り。わが家に新しい猫がやってきました。

もう動物を飼うのはしばらくいいや、と思っていました。どうしても死に目は辛いし、飼うことで日常生活にどうしても制約がかかってしまいます。それでも今回猫を飼うことになったのは、やはり見捨てるに忍びないことでしょうか。

市内の児童クラブにその猫は捨ててあったそうです。スタッフの方が保護されましたが、施設にはいろいろなお子さんがこられることから、そのまま飼うわけにいかず、新しい飼い主を探されたのでした。友達経由のFacebookの投稿でそれを知りました。

にゃんたのときもほうぼうに飼ってくれないか案内したけれども、猫というのは案外貰い手が少ないことがあります。一度は、このまま見なかったことにしようと思いましたが、二度目にまだ貰い手がないことを知り、貰われなかった行く末を考えると動かずにはいられませんでした。

家族会議をしたところ子どもたちも飼いたいとのことでしたので、保護されている方に連絡をとって会わせてもらうことになりました。ぼくとは別にもうひと方、飼うことを希望されているということで、まあ貰い手があるならいいかなとも思いましたが、ともかく会いにいきました。

その猫は、ちょっと見たことのないような鳶色の毛並みをしたメス猫でした。まだほんの子猫で、生後数ヶ月。たぶんにゃんたを拾ったときもこれくらいの大きさだったように思います。目が大きくはっきりして、人にすぐ寄ってきます。やはり飼いたいなとも思いました。

飼う意志のあることを伝えて、いったん帰ったところ、やはり譲るということでご連絡をいただき、その日のうちにキャリーをかかえて猫をひきとりに行きました。

そのまま動物病院に連れていき、今後のスケジュールを話しました。ワクチンも打たねばならないし、近い将来避妊もしなければなりません。最近は、マイクロチップの埋め込みも勧めておられるそうです。

夕方わが家に連れて帰りました。すっかりおとなしくなった猫は、恐る恐るキャリーから出ると、周囲を探るように歩いています。子どもたちが喜んで近づこうとすると、さっと逃げますが、そのくせどこか行こうとすると後をついてきます。

よほど腹が減っているのでしょう。更にフードを出すとあっという間に食べ尽くしてしまいました。ただ、様子を見ながらフードを与えていかねばなりません。

まだ名前もつけてないのですが、ぎこちなく猫のいる生活がふたたびはじまりました。これから何年一緒にいてくれるでしょうか。ひょっとするとぼくよりも長生きするかもしれません。それならそれでいいか、とも思います。

嫁さんがいいました「今日、にゃんたが来たのよ」。

そうか、すっかり忘れていたけど、にゃんたがうちに来たのは2001年の9月23日。この子がうちに来たのも9月23日。不思議なご縁があったのでしょう。

記憶はやがて歴史になる

今年も広島に原爆が投下された日が巡ってきました。子供の頃からテレビを見て、この日だけは何か特別な気持ちになったものです。毎年毎年同じような暑い夏の日に、同じような式典をテレビで見て厳粛な気持ちになることを繰り返してきたように思います。

今日も子どもたちが平和の鐘をつき、平和への誓いを述べていました。「命の尊さを 平和への願いを 私たちが語り伝えていきます。」と締めくくりました。その光景を見ながら、変わらない式典と、すでに戦後71年が経過していることのギャップになんとなく心がざわつくのです。

もちろん、ぼくは戦争を体験したわけではないので、原爆が招いた悲惨さをどれほども知りません。それでも、ぼくが子供の頃には周りに戦争を体験した大人がたくさん残っている時代でした。直接に戦争を生き抜いた人が語る平和への希求は重みがあったように思います。まだ戦後20年ほどという時間は、戦争の惨禍を忘れ去るには短いものだったのでしょう。

しかし70年という時間は、もはや実感のある出来事とは言えないのではないかと思うのです。ぼくが小学生であったころの70年前というのは、日露戦争の時代です。当時のぼくは、広島や太平洋戦争をかろうじて実感をもって感じることができても、日露戦争の実感はとても持ち得ませんでした。日本海海戦での勝利も、203高地の犠牲も、それは歴史上の出来事でした。

今、平和の鐘をつき、平和の誓いを述べる子どもたちは、70年も昔のことを真に実感のこもったものとして捉えることができているのかどうか。それをさせるのは、オトナの傲慢ではないかとすら思ってしまいます。

日露戦争と原爆とでは意味合いが違うと言われるかもしれません。しかし、こうして少しずつ記憶が歴史となっていくのは、しかたのないことではないかと思います。平和の大切さを語ると言っても、実感のこもった平和への希求は薄れ、なんとなくお題目を唱えるようなことになりはすまいか。もうまもなく戦争を体験した日本人は誰もいなくなります。

ぼろぼろになった制服や、焼け焦げた三輪車だけが、かろうじて説得力を持つようになるのではないか。なんともやるせないのですが、やがて歴史の彼方に忘却しなければ、人もまた前に進めないことになるのであれば、しかたのないことかもしれません。