第1クール第13日 ふがいない父

血圧は上が100前後になり、体温も36度を切ることが多くなりました。なんとなく何をするにも億劫になり、動作がいちいち緩慢になり、いつの間にか深呼吸をしています。そんなだから、いつものシャワーを浴びるのも、今日は面倒くさいという気持ちが湧き上がって来ました。一方で夜間の尿漏れもあって、そのままにしとくのは気持ち悪いという思いもあり、結局はシャワーを浴びましたが、浴びたあとは疲れがどっと出て、しばらく横になっているような状態です。エレベータで下まで降りて、病院の外を少し散歩すると、もうそれだけで息があがっています。だいぶ貧血が進んだのだと思います。

とはいえ、4月に手術して、輸血を受ける前の貧血に比べれば、あの時はさすがに身体をおこすのさえしんどかったのですから、まだ全然余裕のはず。だから多少しんどくても、散歩をしたりストレッチはしておかなくてはいけないと思っています。動けるうちは動いておかないと、退院してからまた体力のなさに愕然とすることでしょう。

今日は子どもたちが見舞いに来ました。長男は一週間ぶり、先週宿題ができてなくて来なかった次男とは二週間ぶりに対面しました。久しぶりの対面に嬉しくて、ぼくがあれやこれや尋ねはするものの、子どもときたらなんということもない、父親へのいたわりの言葉ひとつかけるでもなく、ぼくのiPhoneを奪い取ってゲームに興じておりました。もっともぼくもこんな有様なので、声をかけるのも面倒くさくなり、ただゲームに興じる子どもたちを見守るだけではあります。

そのうち帰ることになり、下まで見送りに出かけました。長男はいきなり「ああ、つまらんなあ」と言いました。「これじゃ日記が書けんし」。毎週子どもたちは日記の宿題が出ています。日常のちょっとしたことを書けばいいじゃないかと思うのですが、子どもたちはどっか連れて行ってもらい、何かのイベントがないと書けないと言うのでした。

思えば、父ちゃんは今年に入ってから入退院を繰り返し、あんまり一緒に遊ぶこともできていません。たまに、どこかへ連れて行っても乏しい体力をあっという間に使い果たして「疲れた、疲れた」ばかり言ってましたしね。子どもから見たらふがいない父親に見えているのだろうなあ。もちろんいろいろ普段は気遣って、子どもなりに頑張ってくれていると思います。それでも今日は父親の前でたまらず「つまらん」と言わないわけにはいかなかったのだろうと思います。

子どもたちに「ごめんよ」と謝りながら、どうすることもできない自分に歯がゆい思いをして、去っていく後ろ姿をただ見送るのでした。

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