病室に戻った4月

病室からながめる松江市街
4月1日。ぼくは再び高層階の窓際の病室におさまることになりました。よく晴れた穏やかな春の始まりの日で、明るく輝く宍道湖を窓から望むことができます。窓際にくることができたのは幸先がいいのかもしれません。前回の入院時と違って日がだいぶ高くなり、部屋の奥まで日差しが入ってこないので、冬の病室よりも過ごしやすいのは発見でした。

慣れ親しんだ家や仕事場を離れて、再び非日常の世界に入り込んで、どこか浮かれた気分もあったのですが、治療計画を聞かされるとそんな甘い気分も吹き飛んでしまいました。

腫瘍のある膀胱をとりのぞくだけでなく、腸管を切って袋状に加工しそれを代用膀胱としてとりつけるため、絶食期間も長くなります。その間の栄養補給のための点滴は首から直接太い血管に入れるのだそうです。また大きな開腹で、痛みも大きくなるので、術後も麻酔用のカテーテルを腰に付ける必要があるそうです。代用膀胱が機能をするまでは腎臓から直接排尿するための管を腹部から出し、腸閉塞などが起きないか確認するための体液を出すドレンパイプもつけるとか。もうどれくらい管が体に繋がれるのかわかりません。

主治医の先生もざっとした説明にこられ、手術自体は7時間前後だけど、上記のような前処置があるのでトータルでは9時間程度の手術時間になるようです。また貧血状態であることから、万が一の時は輸血もさせてもらいたいと言われました。

言われることはよく理解できるし、必要な処置であることもわかるのですが、実際にどうなるかは想像の範囲を超えていて、いろいろな病気をやってきたぼくも、さすがに恐怖心を覚えないわけにはいきません。それでも、決断したこと。なんとかなる、いつかは退院ができるのだと信じてその日を待つしかありません。

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