新たな病状の告白をするにあたって

9日間の入院を終えて再び日常へと帰ることになりました。身体には傷跡もなく、食欲も旺盛であり、入院前とあまりかわらないように思います。

入院中の生活を書いておこうと思い、夜の明け切らぬ病室でこのテキストを書き始めましたが、家に帰り着いた今も書き終わることができないでいます。頭のなかがまとまりきらないけれども、書いてしまおうと思っています。無駄に長くなるのでここで「続き」タグを挟んでおこうと思います。

それは、この入院が終わりではなくて、始まりであったからかもしれません。ぼくは新たな病を抱えることになったのです。

ぼくはこのたびの出来事を書くべきかどうか悩みました。病気のことを晒して何の得もないばかりか、失うものが大きいのではないだろうか。また書くことで、あるいは同情され、あるいは憐憫の目を向けられるのは忸怩たる思いがあります。

しかし、以前書いたように、他の人格をネット上で演じるほど器用ではありません。黙っていればいいのかもしれませんが、それもまた堪え難いことのように思います。

かつて白血病になった時に、ぼくは自分の闘病体験を公開しておりました。そのページを閉じる時のことはここにも書きました

しかしぼくは、それからなんのアクションも起こしませんでした。病気のことも忘れ、表現することも疎かにし、時間はすぎました。あの時にこれから何ができるだろうかと自問したけれども、それに触れるのをやはり恐れていたのかもしれません。

今、またその時が巡ってきたように思いました。どうとも態度をあらわにしない自分に対し、運命は態度を明らかにせよと迫ってきたように思いました。

白血病になった時に、それが白日のもとに晒されたことで、人間関係を失い、職を失い、すべてを失った時のことを思い出します。また一方で、多くの患者さんのページを見たときに、どれだけ気持ちを揺さぶられたことか、どれだけ力をいただいたことか、そのことも思い出します。

彼らは、しかし、決して他の人のために書いたのではなかった。自分のために、自分の存在のために書いていた。だから、ぼくも闘病記を書いたのでした。

だから、ぼくは再びここにありのままのことを書いていこうと思います。それはネット上だけでなく、実社会でもそうしようと思います。そのために環境が変わろうとも、自分自身が正直であるために、きちんとした生をまっとうするために、自分自身の存在のために。

ぼくは、新たながんを宣告されました。

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